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営業開発スタッフコラム 第67回 「“令和6年度臭気判定士試験” 解答考察[嗅覚概論編]」
エスポ化学の営業開発スタッフが、不定期でコラムを配信します。
悪臭対策のとっておきのノウハウをはじめ、製品ページではご紹介出来ない情報もお届けする予定です。
テーマ「 “令和6年度臭気判定士試験” 解答考察[嗅覚概論編]」
皆さんこんにちは!今回のコラムを担当する 川井です。
今回は2024年11月2日に実施された「臭気判定士試験」の解答の考察を行わせていただければと思います。
国家資格「臭気判定士」は、においの業界では必携の資格、といっても過言ではありません。
例年合格率は30%ぐらいで、年々難度が高くなっている試験です。
そして更にこの資格取得を難しくしているのは、危険物取扱者試験や電気工事士などのメジャーな資格と比較して知名度が低いため、過去問題の振り返り等が少ないことも挙げられます。
このコラムにて「臭気判定士はこのような知識をもって活動している」という現状や、次回受験をご検討されている方に生かしていただければと思い投稿しました。
(※なお今回の私の考察は公式解答がまだ出ておりませんので、間違えている可能性もあります。その場合は後日修正させていただきます。)
臭気判定士試験は、
- 『嗅覚概論』
- 『悪臭防止行政』
- 『悪臭測定概論』
- 『分析統計概論』
- 『臭気指数等の測定実務(Ⅰ:文章問題)、Ⅱ:計算問題』
の5項目に分かれています。今回のコラムでは『嗅覚概論』から考察させていただきます。
問題1「嗅覚の仕組みに関する次の記述のうち、最も不適当な物はどれか?」
① 嗅細胞は、嗅上皮面に樹状突起を、基底膜報告に嗅神経繊維を伸ばしている。
② 個々の嗅細胞は1種類だけの嗅覚受容体を備えていて、人ではその数は約400種類である。
③ 嗅細胞は再生を繰り返すいる。
④ 一つの嗅細胞で発生した電気信号は、軸索を介して特定の1個の糸球体へと伝達される。
⑤ ヒトでは備考の表面積に占める嗅上皮の割合が他の哺乳類と比較して大きいことが特徴である。
問題2「においの閾値に値するA) ~C) の記述について正誤の組合せはどのようになっているか?」
A)弁別閾値はにおいの濃度を変化させたときに2つのにおいの強度の差を区別できるか最小の濃度差をさす。
B)検知値閾値はなんのにおいかわかる最小の濃度をさす。
C)あるにおい物質に対する閾値が低い人は、そのにおいに対する嗅覚感度が高い。
問題3「においの閾値や間隔強度に関するA) ~C) の記述について正誤の組合せはどのようになっているか?」
A)においの間隔強度を比率尺度によるマグニチュード推定法で測定した場合には、べき関数の当てはまりがよいとされている。
B)あるにおいに対する順応が見られた後、他のにおいに対して感度が高まることがある。
C)感覚変化において、基準刺激にたいして感覚的に異なると感じた刺激の物理量と基準刺激の物理量の比は一定であることをウェーバーの法則と呼ぶ。
問題4「におい物質に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか?」
① イソプレンが複数個結合したテルペン系炭化水素は、弱いにおいを呈し、香料の原料などに利用される。
② におい物質をできるだけ科学的に安定した状態で保存するためには、低温に置き、遮光し、におい物質と反応する酸素などを排除する。
③ におい物質は、分子量17から約400までのものが報告されている。
④ 気体状態のにおい物質が他の物質の表面に吸着する現象には、化学吸着と物理吸着がある。
⑤ 同じ官能基を有するにおい物質であっても、炭素鎖が長い物質ほど水に溶けやすい。
問題5「におい物質に関するA) ~C) の記述について正誤の組合せはどのようになっているか?」
A)γ‐ウンデカラクトンはカルボン酸の一種であり、希薄にするとピーチ香がする。
B)におい物質の分子式が同じでも、異性体間でにおいの質が違うものが知られている。
C)同じにおい物質でも、濃度が変わると強度だけではなく、においの質が変わることがある。
問題6「嗅覚の基本的な特性に関する次の記述のうち、最も不適当な物はどれか?」
① 不快なにおいを断続的に提示された場合と連続的に提示された場合、総ばく露量が同じであれば、前者の方が深井戸は大きくなることが報告されている。
② 子どもは、臭いに関する体験や知識が少ないが、においの同定率は高い。
③ においの質と間隔強度から間接的に快不快度を評価するニオイプロフィール加算法が提案されている。
④ 同じにおいを嗅いでそれをなんのにおいと感じるかが違うことによっても、快不快の個人差が生じることが報告されている。
⑤ 馴染みのあるにおいと馴染みのにおいでは、快不快度が異なる場合があると報告されている。
-----ここまでが問題です----
問題1(解答・考察)
「嗅覚の仕組みに関する次の記述のうち、最も不適当な物はどれか?」
① 嗅細胞は、嗅上皮面に樹状突起を、基底膜報告に嗅神経繊維を伸ばしている。
→〇
② 個々の嗅細胞は1種類だけの嗅覚受容体を備えていて、人ではその数は約400種類である。
→〇
③ 嗅細胞は再生を繰り返すいる。
→〇
④ 一つの嗅細胞で発生した電気信号は、軸索を介して特定の1個の糸球体へと伝達される。
→〇
⑤ ヒトでは備考の表面積に占める嗅上皮の割合が他の哺乳類と比較して大きいこと小さいことが特徴である。
→×
問題2(解答・考察)
「においの閾値に値するA) ~C) の記述について正誤の組合せはどのようになっているか?」
A)弁別閾値はにおいの濃度を変化させたときに2つのにおいの強度の差を区別できるか最小の濃度差をさす。
→〇
B)検知値閾値はなんのにおいかわかる最小の濃度をさす。
→×
C)あるにおい物質に対する閾値が低い人は、そのにおいに対する嗅覚感度が高い。
→〇
問題3(解答・考察)
「においの閾値や間隔強度に関するA) ~C) の記述について正誤の組合せはどのようになっているか?」
A)においの間隔強度を比率尺度によるマグニチュード推定法で測定した場合には、べき関数の当てはまりがよいとされている。
→〇
B)あるにおいに対する順応が見られた後、他のにおいに対して感度が高まることがある。
→〇
C)感覚変化において、基準刺激にたいして感覚的に異なると感じた刺激の物理量と基準刺激の物理量の比は一定であることをウェーバーの法則と呼ぶ。
→〇
問題4(解答・考察)
「におい物質に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか?」
① イソプレンが複数個結合したテルペン系炭化水素は、弱いにおいを呈し、香料の原料などに利用される。
→〇
② におい物質をできるだけ科学的に安定した状態で保存するためには、低温に置き、遮光し、におい物質と反応する酸素などを排除する。
→〇
③ におい物質は、分子量17から約400までのものが報告されている。
→〇
④ 気体状態のにおい物質が他の物質の表面に吸着する現象には、化学吸着と物理吸着がある。
→〇
⑤ 同じ官能基を有するにおい物質であっても、炭素鎖が長い物質ほど水に溶けやすい。
→×
官能基とは有機化合物の性質を決める特定の原子の集まりであり、同じ官能基を持つ化合物は共通する化学的性質を持ちます。
問題5(解答・考察)
「におい物質に関するA) ~C) の記述について正誤の組合せはどのようになっているか?」
A)γ‐ウンデカラクトンはカルボン酸の一種ラクトンの一種であり、希薄にするとピーチ香がする。
→×
B)におい物質の分子式が同じでも、異性体間でにおいの質が違うものが知られている。
→〇
C)同じにおい物質でも、濃度が変わると強度だけではなく、においの質が変わることがある。
→〇
問題6(解答・考察)
「嗅覚の基本的な特性に関する次の記述のうち、最も不適当な物はどれか?」
① 不快なにおいを断続的に提示された場合と連続的に提示された場合、総ばく露量が同じであれば、前者の方が深井戸は大きくなることが報告されている。
→〇
② 子どもは、臭いに関する体験や知識が少ないが、においの同定率は高い。
→×
同定能力とは、提示されたにおいが何のにおいか分かる能力のこと。
何のにおいというのは経験により変わる。その為経験や知識が少ないと同定率は下がる。
③ においの質と間隔強度から間接的に快不快度を評価するニオイプロフィール加算法が提案されている。
→〇
④ 同じにおいを嗅いでそれをなんのにおいと感じるかが違うことによっても、快不快の個人差が生じることが報告されている。
→〇
⑤ 馴染みのあるにおいと馴染みのにおいでは、快不快度が異なる場合があると報告されている。
→〇
におい物質においてγ‐ウンデカラクトンはパネル測定でも使用するのでピーチ臭がすると知ってはいたのですが…正直ラクトンの一種という所まで覚えておらず、間違えてしまいました💦
それ以外の問題は過去問等でも出ておりますのでじっくり勉強すれば間違えることはないと思います。
今回は『嗅覚概論』について解答、考察を行いました。
次回は『悪臭防止行政』について解答、考察を行おうと思います。
また、今回の解答、考察に間違いがあれば次回修正させていただきます。
以上、次回もよろしくお願いいたします。
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